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お勧め小説 陰の季節 横山秀夫

今日は祝日。春分の日だ。

午前中は少し寒かったが、午後からは暖かい陽気。

昨日の日曜日か本日、釣りにでも出かけようと思ったものの準備が面倒で諦めた。

普段から準備をしておかないとダメだな。竿は埃を被っているし、リールはどこかに仕舞い込んでいる。糸も替えないといけない。

ぼちぼちシーズンだしなあ。

近所に釣具屋が無いのが困る。以前、池田の方まで行ったが、駐車場前に車が並んでズラリ。とてもじゃないが入れたもんじゃない。

根強い人気のレジャーなんだからもっと店を出せよな。

 

さて、今日のランチは少し車を走らせてロードサイドの店へ。

以前、サンマルクだった所がピノキオというカフェレストランに変わっている。

そこへ行った。

特製ハンバーグカレー。コーヒーセットで。

食味は、うーん、まあまあ。

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今日の本の紹介。

「陰の季節」 横山秀夫

 

横山秀夫の作品は何度か読んできた。

中でも特に印象的に残ったというか感動を受けたものは「出口のない海」だ。この作品は戦争のもたらす悲惨さ、涙なくしては読了できない。また機会があれば紹介したい。

さて、今回の「陰の季節」、これも氏の作品であれば間違いなく面白いのであろうと思いながら手にした。

短編集である。といっても舞台は同じ警察機構の中での話となっている。警察の中でも様々な部署があり、そこには多様な人々が働いている。その中である特定の人物にスポットを当て、話を展開している。Aという人物がいて、BとかCとかの人物と関連していく中で今度はCという人物にスポットを当てるとか、そんな感じ。

 

話は全部で4編。

「陰の季節」「地の声」「黒い線」「鞄」

 

「陰の季節」

D県警本部で警務課で人事を担当する二渡という人物が主人公。大勢の職員を定期人事異動させるのは一般企業でなくても警察機構でも大変な作業で二渡も大いに悩む。警察の中でも信賞必罰がある訳で、人事異動の際に引き上げられたり左遷させられたりする。

そんな中でここでは大物の人物が問題となる。それは刑事部長を勇退した後、ある社団法人に天下りしたのだが、3年間と目された期間を迎えるというのに退任しようとしない。その人物が動かない限り次にあてがう人物の動きがどうにもならない。二渡は大いに悩む。上司からは突かれる、大物OBは頑として動かない。困った二渡は何故居座り続けるのかその背後を探ろうとするが、、、

 

「地の声」

新堂という人物、警察機構の中で順調に出世してきた、筈なのだが、警視に昇任して6年目に職場で吐血してしまう。うまく行けば小さな所轄の署長くらいにはなれたのだが。そして与えられたポストが警務部監察課監察官。まあ警察職員を監察するという仕事だ。

そしてそこにあるタレコミが入る。職員としてよろしくない行為をしているという情報だわな。その人物は曾根という。新堂は事実関係を調べるために曾根の身辺を調べるのだが。ポイントは新堂も曾根も昇進に見放されたというか出遅れたというか、そのために内心焦っていたということなのだろう。

まあ、我々普通の企業人でもあるわな、こういう話、と思って読んでみては。

 

「黒い線」

県警の機動鑑識班という部署で働く婦警の話。鑑識ということで事故や事件の際に現場で色々調べたりするのだろう。

ここで22歳という若き婦警が自分の得意技の似顔絵書きによって大手柄を上げるのだが。事実は違っていたようで、その上司の、やはり婦警がフォローしようとするのだが、、、

警察機構でも男女の垣根は高いのだろうか、婦警はいらない、という声まであるそうだ。知らんけど。しかし犯罪を犯すのは男性の方が多いのだろうけれども、それに巻き込まれて被害を受けるのは女性、子供、高齢者など社会的弱者が多いような気がする。そんな事を考えるときめ細やかな対応ができる婦警が不可欠だと思うのだ。

 

「鞄」

主人公は警務部秘書課の課長補佐、36歳の男。「議会対策」が職務という。県議会で議員の質問に対してその答弁を準備する仕事なのだ。議会でも警察に対しての質問も当然発生する。行政に対しての一般的な質問と同様、予めどんなことが議題として上がるのか確認しておかないと適切な回答ができない。確かにそこでうまく運ばないと議会そのものが止まってしまうことだってある訳だ。最悪、上司が頭をさげて棒立ちなんてことも。そこで警察とて前もって調べておくのだが、どうしても全て把握できる訳ではなさそうだ。そんな中で議員の一人が議会の場で警察に対して爆弾発言をするというから大変だ。どうやって事前に調べたらいいのか。必死になって探り出そうとするのだが、、、ところが問題なのはその議員ではなく身内に、、、

 

今回も横山秀夫、十分楽しませていただいた。筆者は常人とは異なった視点を持っているようだ。何度も何度も頷いた。膝を叩いた。しかし、警察機構の細部までよく調べられるもんだな、不思議だ。

この本のお勧め度は◎です。(◎最高、〇まあまあ、△まあ、◆あまり)